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2021年2月27日、インターンシップ・プログラム「2025年を見据えた多文化共生社会」の最終プレゼンテーション&表彰式が行われました

プロジェクト経緯

少子高齢化に伴い、外国人労働者が増加の一途を辿っている日本社会。異なる言語・文化的背景をもった人々がお互いに理解・尊重し合い、ともに生きていく社会が必要とされています。そのために、私たちは何ができるのでしょうか。

World Family Bridgeは、2020年より、DWEユーザーの大学生を対象に、グローバル人材の育成を目的としたインターンシップ・プログラムを提供しています。 そこで、「2025年を見据えた多文化共生社会」をテーマに新規ビジネスを立案して実行・運営する、というプロジェクトを立ち上げました。 このプロジェクトには海外留学中の学生を含め、全国各地の大学生30人が参加しました。

プロジェクトは、2020年9月のキックオフ・ミーティングからスタート。インターン生たちは8チームに分かれ、約半年かけて、多文化共生社会に貢献するビジネスを企画します。そして、決められた予算内で実現可能なアイデアにまとめ上げ、最終プレゼンテーションに挑む、というミッションが与えられました。

World Family Bridge事務局は、月に1回のオンライン・ミーティングに加え、計6回に渡るオンライン・サロンで各チームをサポート。サロンでは、以下のように、毎回、大学教授や専門家を迎え、多文化共生やプロジェクト内容への理解が深まるレクチャーや議論が行われました。

オンライン・サロン講師

第1回:「共感力を高めるには?」

渡辺 香代子 (株式会社エンパシージャパン 代表取締役)

企業のCSR活動サポート、教育関連の広報活動などを担う。一般社団法人ダヴィンチマスターズの代表理事として、非認知能力を育てる教育プログラムの企画運営も行っている。

第2回:「コミュニケーション」

江口 桃子 (アナウンサー)

テレビやラジオ番組でアナウンサーを務める(TBSテレビ「ニュースバード」専属キャスター、TBSラジオ「ラジオニュース」CMナレーションなど)。話し方やマナーなどに関する研修やレッスンの講師も担当。

第3回:「“たが”の外し方」

キリーロバ・ナージャ (電通Bチーム クリエイティブ・ディレクター)

電通にてさまざまな広告を企画。世界のさまざまな広告賞を受賞し、2015年には世界のコピーライターランキング1位に輝く。世界の多様なアクティブ・ラーニング教育を紹介するコラムではキッズデザイン賞を受賞。

第4回:「高度グローバル人材になるためには?」

原田 哲男 (早稲田大学 教育学部・総合学術院 教授/ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所 学術アドバイザー)

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にて応用言語学博士を取得。オレゴン大学で教鞭を執り、2005年から現職。2013年から2014年までUCLA客員教授兼研究員。専門分野は、第二言語習得、外国語の音声習得、英語教育、バイリンガル教育など。

第5回:「異文化理解とは?」

岡田 昭人 (東京外国語大学 国際社会学部/大学院総合国際学研究院 教授)

オックスフォード大学(教育学大学院 教育学研究科 比較教育学)にて博士課程修了。東京外国語大学にて、留学生国際教育プログラム(ISEP TUFS)コーディネーターも務める。専門分野は、比較・国際教育学、異文化コミュニケーション。

第6回:「異文化交流の現場から」

河野 淳子 (公共財団法人AFS 理事・事務局長)

AFSは、約100年の歴史をもつ国際的な非営利ボランティア団体。1992年よりAFS日本協会に入職し、世界60以上の国・地域との年間1,000人規模の異文化交流事業を企画、運営してきた。2017年7月より現職。

最終プレゼンテーション&表彰式

2020年11月の中間発表を経て、ついに最終プレゼンテーションの日を迎えた2021年2月27日。 東京・丸の内の会場(*)に到着したインターン生たちは、各チームでプレゼンテーションの練習をしたり、ほかのチームと励まし合ったり、緊張感とワクワク感が溢れる様子。海外や遠方在住の学生は、オンラインで参加しました。

*検温や手指のアルコール消毒、マスク着用など、新型コロナウイルス感染防止対策を実施して開催しました。

各チームに与えられた発表時間は、7分間。英語でプレゼンテーションを行い、その後の10分間で審査員からの質問に答えます。 審査員は、オンライン・サロンで講師を担当した4名(キリーロバ・ナージャ氏、原田 哲男教授、岡田 昭人教授、河野 淳子氏)とワールド・ファミリー株式会社 副社長の松原浩一氏。

アイデアの企画性・独創性・貢献性、事業としての実行可能性や持続可能性、プレゼン構成力、英語力といったカテゴリーで各チームが審査され、計8チームが以下のように表彰されました。

「World Family Bridge最優秀賞」に選ばれたアイデアは、今後、World Family Bridge事務局が受賞チームのメンバーとともに運営計画を立て、事業として実現させていきます。

World Family Bridge最優秀賞

チーム名
Café Au Lait
アイデア名
Food Traveler

<概要> 食文化を通じて、日本の子どもたちの異文化理解を促進する企画。親子でさまざまな国の料理を楽しむことができるミールキット(食材&レシピのセット)を販売する。その国の文化を紹介するYouTube動画の配信、学んだことをアウトプットする機会の提供などもサービスに含まれる。

<評価ポイント> 課題をしっかりと定義し、購買意欲などのリサーチが行われていたこと、最も事業としての実現性が高いことが評価された。

World Family Bridge優秀賞

チーム名
RGB
アイデア名
One vision, One world: Bridge to Cultural Interaction

<概要> 日本の伝統工芸の発展、という視点から多文化共生社会の実現に取り組もうとする企画。日本の伝統工芸とそれを学びたい外国人をつなげる交流プログラムを運営する。

<評価ポイント> 近年重要になってきている「GLOCAL」(「グローバル(世界)」と「ローカル(地域)」の両方を重視する考え方)の視点が高く評価された。

ベスト・チームワーク賞

チーム名
Blueberry
アイデア名
Change Makers

<概要> 音楽とSNSを通じて、多文化共生の考え方を世界に広めようとする企画。DWEの教材を使っている各国(日本、香港、台湾、韓国)の子どもたちがDWEソングを自由に表現する動画をTikTokに投稿する。

<評価ポイント> チームメンバーのうち2人は海外留学中。時差という問題を乗り越え、週2回のオンライン・ミーティングを重ねて協働してきたことが評価された。

ベスト・フォーカス賞

チーム名
SANG
アイデア名
Relay for “One World”

<概要> 世界各国の学生たちが自分の生活の様子をYouTubeで紹介していくことで、各国のステレオタイプ的なイメージを払拭しようとする企画。友人を通じてリレー式に展開していくことで、投稿者同士も国境の壁を超えてつながっていく。

<評価ポイント> 異文化理解においてステレオタイプを取り除くことはとても重要である、という視点が評価された。

ベスト・リサーチ賞

チーム名
Komedawara
アイデア名
ONE OF(Over the Nations and Expand Our Friendship)

<概要> 孤独になりがちな外国人留学生(日本語学校)と日本人大学生の間の異文化交流を促進する企画。両者が協力して外国人留学生の国について紹介するプレゼンテーションやクイズを用意し、小学校での発表を目指す。

<評価ポイント> 外国人留学生20人へインタビューを行い、課題把握のためのデータを集めた、というリサーチ力が評価された。

ベスト・パフォーマンス賞

チーム名
Konpeitou
アイデア名
Creating a New Employment for Vietnamese Exchange Students

<概要> ベトナム人留学生のために雇用を創出しようとする企画。ベトナム人富裕層を対象に日本製品を販売するサブスクリプション式の通販サイトを開設し、将来的には日本旅行への誘致につなげる。

<評価ポイント> ベトナム人の現状に寄り添った企画であること、聞き手を意識したわかりやすいプレゼンテーションになっていたことが評価された。

ベスト・コンセプト賞

チーム名
Fresh Fruits
アイデア名
Radio with Easy Japanese

<概要> 「やさしい日本語」で放送するラジオ番組をPodcastで配信する企画。外国人も理解しやすい日本語で台本をつくり、日本に住む外国人へのインタビューなど、異文化理解を促進する番組を制作する。

<評価ポイント> 「音声」を使う、というアイデアが新鮮であり、いますぐ実現できるコンセプトになっていることが評価された。

ベスト・インサイト賞

チーム名
Chingensai
アイデア名
Trilight

<概要> 既存のDWEユーザーの親子をサポートする企画。絵本読み聞かせ、歌、スキット、異文化学習など、さまざまな方法で元ユーザーであるインターン生が子どもたちと交流する場を設ける。

<評価ポイント> DWEユーザーとしての長年の実体験をよく振り返り、そこから課題を見つけて解決方法を考えたことが評価された。